罪の味
実際に捕まってしまった犯罪者は
どんな気持ちで手錠をかけられたんだろう
実際に法を犯していつ特定されるか
時間の問題だってわかってる人は
どんな気持ちでご飯が食べられるのだろう
法にこそ触れていないが
誰しも正規ルートで生きていける人はいないと思ってる
でも、今まで積み上げてきた功績や名誉が
崩れる瞬間ってどんな顔なんだろう
多分、私はその顔をもう知っている
罪の味
恐らく、瞬きも安心してできない
頭から離れなくてどうしようもなくて
ご飯よりもスマホで検索をしたくなる
苦しい
というよりは、狭い
狭くて苦しい
周りから指をさされて冷たい視線を浴びせられる
「すごい!」と注目されていたのが
今度は軽蔑の目で注目される
世間でいう「やってはいけないこと」をやってしまったら
もう後戻りはできないんだなって
それこそ、誰かが吊るしあげられて
自分に助けを求められると、自分の罪に精一杯で
優しくしてあげたくなっちゃうような
掴んだ仲間の手は放したくなくて
負の連鎖が知らぬ間に増えていく
操る側は、いずれ見つかってしまうと
「恐怖」の対象として危険人物とされてしまう
今まで誰に対してもにこにこしてて
相談にも親身に乗ってあげて信頼を得て
自分の功績や栄光がみるみる輝いて
やがて、何もしなくても魅了される
それが、見事に崩れる瞬間
廃人と化する
罪の味を知ったら、もう残された「強さ」は
自分の中にはない
空っぽ
誰も見てくれないから
そこから巻き返す気力があるのだろうか
もともと「偽善」や「虚像」で
光り輝かしい姿をどんな手を使ってでも
魅せてきた人が
そんなこと、できるのだろうか
罪の味は、普通の人なら
善良な人間はそもそも味わない
そして、見つからない人も味わうことはない
見つかってしまってから初めて知る味
苦くも辛くもなく
ただただ、吐きそう
後悔とかいう次元ではない
承知の上で行ったものだから。納得はいく
それでも、崩れてしまったその先に見える
真っ暗な世界
そんな中で、誰にももう見られることはないまま
十字架を背負うことになった人は
罪の味を反芻しながら、本性の顔をはじめて
「日常」に出すのだろうなと
アイドルだって、小悪魔だって、人気者だって、そんなもんだよ
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